企業参謀 大前研一 [005]

企業参謀 (講談社文庫)

企業参謀 (講談社文庫)


今回は、大前研一氏の「企業参謀」についての考察をまとめたいと思います。

この本では、企業や組織の直面する問題について、正しい認識と解決策を提示する必要性を訴えています。そのアプローチを具体的な事例を用いつつ、丁寧に紹介されていました。

また、大前氏は、この著書の中で一貫して「戦略的思考グループ」が組織の問題解決に必要であることを訴えられています。
問題の正しい認識と、その解決策の実行には中立的立場の組織、グループが必要だという意見には同調します。

本書は25年以上も前に書かれたものですが、
現代においても適用できる部分が多分にあると感じました。
特に、課題解決におけるアプローチ(現状の把握 → KFSの特定 → 解決策提示 → 実行)
がシンプルにまとめられており、日頃の生活や組織での活動に活かしたいです。

また、本著は問題解決のプロセスを「シンプル」に書かれていたことも特徴的でした。
こういった、必要な部分を残しつつ、多面的に捉える思考の訓練をしたいと思いました。

最後に、本書を読んで戦略コンサルタントに対する見方が変わりました。
この本を読むまでは、戦略コンサルタントは「戦略の提示までしか関わらない」という認識でしたが、課題の解決までしつこく訴え続ける姿勢を強調していた大前氏の主張から、
戦略コンサルタントにも「より成果の高い解決策」を目指す姿勢が必要であるという認識になりました。
ただし、現状では解決策にITが絡むことが多く、その実装まで行えることがお客様に求められているため、「絵に描いた餅でしかない」といった不満が挙がるのだと捉えました。
自分自身のキャリアを考える上でも、ITという「技術」をいかにして身に付けておくかが重要な課題だと感じました。